更新日: 2026年10月5日

相関係数とは

2つの資産の値動きがどれくらい連動するかを-1〜+1の数字で表す指標。値が低いほど分散投資の効果が大きくなります。

かみ砕いた説明

相関係数は、2つの資産の値動きがどれくらい同じ方向に動くかを-1から+1の数字で表す指標です。

相関係数意味分散投資の効果
+1に近い一方が上がるときもう一方も上がりやすい(連動性が強い)ほとんどない
0に近い値動きに目立った関係がないある
-1に近い一方が上がるときもう一方は下がりやすい(逆の動き)大きい

目安として、絶対値が0.7以上なら強い相関、0.4〜0.7なら中程度、0.2〜0.4なら弱い相関、0.2未満ならほぼ無相関と表現されることが多いです。

注意したいのは、相関係数は「動く方向がそろっているか」を表すもので、「動く大きさ」は表さない点です。相関係数が+1でも、一方が1%動くときにもう一方が3%動くことはあり得ます。値動きの大きさを含めた連動性を見たいときは、ベータ値が使われます。

相関係数の求め方

相関係数は、2つの資産のリターンの共分散(一緒に平均より上振れ・下振れする度合い)を、それぞれの標準偏差の積で割って求めます。

相関係数 ρ = 共分散 ÷(資産Aの標準偏差 × 資産Bの標準偏差)

共分散は値動きの大きさに左右されますが、標準偏差の積で割ることで-1〜+1の範囲に収まり、異なる資産の組み合わせ同士でも比べやすくなります。表計算ソフトでは、2列のリターンデータに対してCORREL関数を使えば計算できます。

分散投資の効果を計算で確かめる

相関係数が分散投資で重要なのは、2つの資産を組み合わせたポートフォリオの標準偏差(リスク)が、次の式で決まるためです。

ポートフォリオの分散 = w₁²σ₁² + w₂²σ₂² + 2 × w₁ × w₂ × σ₁ × σ₂ × ρ

(w:配分比率、σ:各資産の標準偏差、ρ:相関係数)

当サイトのポートフォリオ比較で想定している「株式60%・債券40%」(株式の標準偏差15%、債券の標準偏差6%)を例に、相関係数だけを変えてポートフォリオの標準偏差を計算すると次のようになります。

株式と債券の相関係数ポートフォリオの標準偏差
+1.0(完全に連動)11.4%
+0.15(当サイトの想定値)約9.7%
0.0(無相関)約9.3%
-0.2約8.8%

相関係数が+1のときは、標準偏差は単純な加重平均(15% × 0.6 + 6% × 0.4 = 11.4%)と同じになり、分散によるリスク低減効果はまったくありません。相関係数が下がるほど、同じ配分のままポートフォリオ全体のリスクが小さくなります。期待リターンは変わらずにリスクだけが下がるのが、分散投資が「唯一のフリーランチ」と呼ばれる理由です。

実際の資産同士の相関

当サイトの相関ヒートマップでは、主要資産の月次リターンから実際の相関係数を算出しています(2026年7月25日時点のデータ)。代表的な組み合わせは次のとおりです。

組み合わせ直近1年直近5年直近10年
S&P500 × 米10年国債利回り-0.24-0.54-0.04
金 × 米10年国債利回り-0.23-0.33-0.41
日経平均 × 金0.550.170.13
日経平均 × 台湾加権指数0.920.750.69

※「米10年国債利回り」は債券の価格ではなく利回り(金利)との相関です。債券価格は利回りと逆に動くため、利回りとの相関がマイナスであれば、債券価格とはおおむねプラスの相関だったことになります。上の「株式と債券の相関」の計算例とは符号の向きが逆になる点に注意してください。

日経平均とTOPIX-17業種(の連動ETF)の相関を直近10年で見ると、電機・精密が0.92と最も高く、電気・ガスが0.23と最も低くなっています。同じ日本株でも、業種によって日経平均との連動性に大きな差があることが分かります。詳しくは相関ヒートマップ(日経平均)や日経平均の相関ヒートマップの読み方で確認できます。

相関は期間によって大きく変わる

上の表で注目したいのは、同じ組み合わせでも計測期間によって相関係数が大きく変わる点です。日経平均と金の相関は直近10年では0.13とほぼ無相関ですが、直近1年では0.55まで上がっています。日経平均と台湾加権指数は、直近1年では0.92と非常に強く連動しています。

相関係数は過去のデータから計算した結果であり、将来も同じ関係が続く保証はありません。特に、金融危機のような暴落局面では、平時には相関の低い資産同士が一斉に下落し、相関が急上昇することが知られています。分散投資が最も必要なときに、分散の効果が弱まりやすいということです。この点は暴落後のリバランスについての記事でも取り上げています。

よくある誤解・注意点

  • 相関係数0.5は「半分連動する」という意味ではない: 相関係数は比例的な量ではなく、0.5と1.0の関係の強さを「2倍」と解釈することはできません
  • 相関は因果関係を意味しない: 2つの資産の相関が高くても、一方がもう一方の値動きの原因とは限りません。共通の要因(景気や金利、為替など)が両方に影響している場合も多くあります
  • 計算に使うデータで値が変わる: 日次・週次・月次のどのリターンを使うか、どの通貨建てで計算するかによっても相関係数は変わります。当サイトの数値は月次リターンに基づくもので、金はドル建てのため為替の影響が一部混在しています

分散投資の基本的な考え方は相関係数と分散投資の関係を解説した記事、資産配分全体の設計は代表的なポートフォリオ3パターンの比較で詳しく解説しています。