2026年7月19日
ポートフォリオ比較ツールでできること:4つの代表的な資産配分を見比べる
積立シミュレーターの使い方に続いて、本記事ではポートフォリオ比較ページというもう一つのツールについて、できることと数字の読み方を解説します。「そもそもどんな資産配分の選択肢があるのか」を最初に把握したいときは、積立シミュレーターより先にこちらから見るのがおすすめです。
ポートフォリオ比較ツールでできること
- 分散投資の考え方に基づいて設計された、4種類の代表的な資産配分を一覧で見比べられる
- 各ポートフォリオの資産クラス別の内訳(名称・配分比率・期待リターン・標準偏差)を表で確認できる
- ポートフォリオ全体の期待リターン・標準偏差を自動計算して表示する(各資産の単純平均ではなく、資産同士の相関係数を反映した計算)
- 気になる配分があれば、「積立シミュレーターで試す」ボタンからそのまま積立シミュレーターに引き継いで、将来の資産額を試算できる
4つの代表的な資産配分
現時点でツールに掲載している4つのポートフォリオと、その期待リターン・標準偏差は次のとおりです。
| ポートフォリオ | 構成 | 期待リターン | 標準偏差(リスク) |
|---|---|---|---|
| 全世界株式インデックス | 全世界株式 100% | 5.00% | 15.00% |
| 株式60%・債券40% | 世界株式60% + 世界債券40% | 3.72% | 9.66% |
| GPIF基本ポートフォリオ | 国内外の株式・債券に25%ずつ均等分散 | 3.38% | 9.36% |
| オールウェザー・ポートフォリオ | 株式・長期国債・中期国債・金・コモディティの5資産に分散 | 3.10% | 6.72% |
株式100%・60:40・GPIF基本の3パターンの比較はこちらの記事で詳しく扱いましたが、ここでは4つ目の選択肢であるオールウェザー・ポートフォリオにも触れておきます。
オールウェザー・ポートフォリオが示す「分散の効き方」
表を見ると、オールウェザー・ポートフォリオの標準偏差(6.72%)は、4つの中で最も低くなっています。これは一見意外に思えるかもしれません。オールウェザーに含まれる個々の資産(株式17.0%、長期国債11.0%、金15.0%、コモディティ18.0%など)は、単体で見ると決して値動きの小さい資産ばかりではないからです。
それでもポートフォリオ全体の標準偏差が低くなるのは、株式と長期国債の相関が-0.25、株式と中期国債の相関が-0.15というように、逆方向に動きやすい資産の組み合わせを複数持っているためです。個々の資産のリスクの大きさよりも、資産同士の相関の低さ(あるいはマイナスの相関)の方が、ポートフォリオ全体のリスクを左右する、という点は相関係数の記事で解説した内容そのものです。ツール上で実際に5資産の内訳を見比べてみると、この「個々はリスクが高くても、組み合わせるとリスクが下がる」という感覚がつかみやすくなります。
使い方: 気になる配分をそのまま試算する
ポートフォリオ比較ページの各カードには「積立シミュレーターで試す →」というリンクがあります。これをクリックすると、そのポートフォリオがあらかじめ選択された状態で積立シミュレーターが開き、自分の積立額・期間を入力するだけで将来の資産額の分布を試算できます。「期待リターン・標準偏差の数字を眺めるだけでは実感がわかない」という場合は、必ずこの導線でシミュレーターまで進んでみることをおすすめします。
注意点
ツールに表示される期待リターン・標準偏差は、教育目的の簡易シミュレーションのための仮定値です。実際の資産クラスの将来のリターンやリスク、資産同士の相関は、この想定値どおりになるとは限りません。特に相関係数は、暴落時には通常より高まりやすいことが知られており、平常時の分散効果がそのまま暴落時にも働くとは限らない点に注意してください。
まとめ
- ポートフォリオ比較ツールでは、4つの代表的な資産配分の構成・期待リターン・標準偏差を一覧で見比べられる
- オールウェザー・ポートフォリオは、個々の資産のリスクが高くても、相関の低い組み合わせによって全体の標準偏差を4パターン中最も低く抑えている
- 気になる配分は「積立シミュレーターで試す」からそのまま将来の資産額を試算できる
- 表示されている数字は仮定値であり、特に資産間の相関は暴落時に変化しうる点を踏まえて参考にする