銀行業界トップ5 財務諸表比較

3メガバンク(三菱UFJフィナンシャル・グループ・三井住友フィナンシャルグループ・みずほフィナンシャルグループ)に三井住友トラストグループ・りそなホールディングスを加えた銀行トップ5について、2026年3月期通期決算の主要財務指標を横並びで比較します。銀行は自動車・商社業界と会計上の建て付けが大きく異なるため、自己資本比率(バーゼル規制ベース)・OHR(経費率)という銀行特有の指標も新たに追加しています。

他業界と指標の意味が異なる点にご注意ください:銀行業界の指標比較表・チャートに登場する「自己資本比率」は、指標比較表内のequityRatio(純資産÷総資産の単純比率、3.7%〜5.2%)と、財務健全性グループの「自己資本比率(バーゼル規制ベース)」(9.9%〜12.5%)の2種類があります。前者は預金という負債が巨大な銀行では構造的に低く出るだけの指標で、経営の健全性は後者(バーゼル規制ベース)で判断するのが適切です。また「売上高」「営業利益」は銀行には該当科目がないため、それぞれ「経常収益」「経常利益」を代わりに採用しています。詳しくは下記「算出方法・データソース」をご覧ください。

バリュエーション・マップ(PER × 売上高倍率)

1倍1.2倍1.5倍1.8倍2倍2.5倍3倍3.5倍4倍5倍6倍11倍12倍13倍14倍15倍16倍17倍18倍 三菱UFJフィナンシャル・グループ: PER(会社予想) 16.54倍 / Revenue Multiple(売上高倍率、PSR) 2.90倍 / 時価総額 423,796億円 三菱UFJ 三井住友フィナンシャルグループ: PER(会社予想) 15.30倍 / Revenue Multiple(売上高倍率、PSR) 2.42倍 / 時価総額 260,918億円 三井住友FG みずほフィナンシャルグループ: PER(会社予想) 14.22倍 / Revenue Multiple(売上高倍率、PSR) 2.20倍 / 時価総額 199,506億円 みずほ 三井住友トラストグループ: PER(会社予想) 12.10倍 / Revenue Multiple(売上高倍率、PSR) 1.55倍 / 時価総額 46,233億円 三井住友トラスト りそなホールディングス: PER(会社予想) 15.93倍 / Revenue Multiple(売上高倍率、PSR) 3.73倍 / 時価総額 50,561億円 りそな時価総額を売上高で割った倍率(PSR=Price to Sales Ratioとも呼ばれます)。利益がマイナスでPERが算出できない赤字企業でも、売上高さえあれば算出できる株価指標です。詳しくはこちら →Price Earnings Ratioの略。株価が1株あたり利益(EPS)の何倍まで買われているかを示す指標で、株価が利益水準に対して割高か割安かの目安として使われます。詳しくはこちら →
三菱UFJフィナンシャル・グループ三井住友フィナンシャルグループみずほフィナンシャルグループ三井住友トラストグループりそなホールディングス

縦軸はPrice Earnings Ratioの略。株価が1株あたり利益(EPS)の何倍まで買われているかを示す指標で、株価が利益水準に対して割高か割安かの目安として使われます。詳しくはこちら →・横軸は時価総額を売上高で割った倍率(PSR=Price to Sales Ratioとも呼ばれます)。利益がマイナスでPERが算出できない赤字企業でも、売上高さえあれば算出できる株価指標です。詳しくはこちら →で、いずれも対数スケールです。バブルの大きさは時価総額を表します。銀行株はPBR基準で語られることが一般的なため、本チャートは参考値としてご覧ください。数値の詳細は下記「指標比較表」または各バブルにカーソルを合わせてご確認ください。

※三菱UFJフィナンシャル・グループのみ、会社が正式な「業績予想」ではなく「利益目標」(1株当たり利益の予想を開示しない形式)を採用しているため、実績PER(株価÷実績EPS)を採用しています。他4社(翌期の会社予想利益に基づく)とは算出根拠の期が異なります。

資本効率マップ(ROA × 自己資本比率)

Return On Equityの略。株主が出した資本(自己資本)に対して、企業がどれだけ効率的に利益を生み出したかを示す指標です。当期純利益÷自己資本で算出します。詳しくはこちら →という1つの数字が「本業の稼ぐ力(Return On Assetの略。負債も含めた総資産全体に対して、企業がどれだけ効率的に利益を生み出したかを示す指標です。当期純利益÷総資産で算出します。詳しくはこちら →)」と「レバレッジ(総資産のうち、返済不要の自己資本(株主資本)がどれだけの割合を占めるかを示す指標。数字が高いほど負債への依存度が低く、財務的な余力が大きいとされます。詳しくはこちら →の低さ)」のどちらでできているかを分解して見るチャートです。斜めの参照線はROE一定線(ROE=ROA÷自己資本比率という恒等式に基づく)で、同じ線の上に乗っている会社は数式上ROEが同じであることを意味します。銀行は預金という負債が大きいため、自己資本比率・ROAとも自動車・商社業界より一桁小さい水準になる点にご注意ください。

ROE 8%ROE 9%ROE 10%ROE 11%3.5%4.0%4.5%5.0%5.5%0.3%0.4%0.5%0.6% 三菱UFJフィナンシャル・グループ: ROA(総資産利益率、簡易値) 0.6% / 自己資本比率 5.2% / ROE(自己資本利益率、簡易値) 10.8% 三菱UFJ 三井住友フィナンシャルグループ: ROA(総資産利益率、簡易値) 0.5% / 自己資本比率 4.8% / ROE(自己資本利益率、簡易値) 10.0% 三井住友FG みずほフィナンシャルグループ: ROA(総資産利益率、簡易値) 0.4% / 自己資本比率 3.7% / ROE(自己資本利益率、簡易値) 10.8% みずほ 三井住友トラストグループ: ROA(総資産利益率、簡易値) 0.4% / 自己資本比率 4.3% / ROE(自己資本利益率、簡易値) 8.8% 三井住友トラスト りそなホールディングス: ROA(総資産利益率、簡易値) 0.3% / 自己資本比率 3.8% / ROE(自己資本利益率、簡易値) 8.8% りそな総資産のうち、返済不要の自己資本(株主資本)がどれだけの割合を占めるかを示す指標。数字が高いほど負債への依存度が低く、財務的な余力が大きいとされます。詳しくはこちら →Return On Assetの略。負債も含めた総資産全体に対して、企業がどれだけ効率的に利益を生み出したかを示す指標です。当期純利益÷総資産で算出します。詳しくはこちら →
三菱UFJフィナンシャル・グループ三井住友フィナンシャルグループみずほフィナンシャルグループ三井住友トラストグループりそなホールディングス

横軸は自己資本比率(equityRatio、純資産÷総資産の単純比率)、縦軸はROA(簡易値=ROE×自己資本比率で逆算した値)で、いずれも線形スケールです。バブルの大きさは時価総額です。

※本チャートの自己資本比率は純資産÷総資産の単純比率であり、銀行の経営健全性を測る規制上の「自己資本比率(バーゼル規制ベース)」とは別の指標です。規制ベースの自己資本比率は次の「資本健全性チャート」をご覧ください。

資本健全性チャート(自己資本比率・バーゼル規制ベース)

銀行の経営健全性を測る規制上の銀行が保有するリスク・アセット(貸出金等のリスクの大きさに応じて重み付けした資産)に対して、どれだけ質の高い自己資本を持っているかを示す、国際的な銀行規制(バーゼル規制)に基づく指標。銀行の経営健全性を測る中心的な物差しです。詳しくはこちら →を、高い順に並べた横棒グラフです。国際統一基準行(三菱UFJ FG・三井住友FG・みずほFG・三井住友トラストグループ)は連結普通株式等Tier1比率(フロア調整最終実施ベース等)、国内基準行(りそなHD)は国内基準の連結自己資本比率を採用しており、算出根拠が異なる点にご注意ください(詳細は下記「算出方法・データソース」参照)。

0%5%10% りそなホールディングス: 自己資本比率(バーゼル規制ベース) 12.54% りそな12.54% 三井住友フィナンシャルグループ: 自己資本比率(バーゼル規制ベース) 11.50% 三井住友FG11.50% 三菱UFJフィナンシャル・グループ: 自己資本比率(バーゼル規制ベース) 11.29% 三菱UFJ11.29% 三井住友トラストグループ: 自己資本比率(バーゼル規制ベース) 10.89% 三井住友トラスト10.89% みずほフィナンシャルグループ: 自己資本比率(バーゼル規制ベース) 9.90% みずほ9.90%

自己資本比率(バーゼル規制ベース)の高い順に5社を並べた横棒グラフです。数値が高いほど、規制上の資本の厚み(健全性)が大きいことを意味します。

OHR比較チャート(経費率)

Overhead Ratioの略。経費(人件費・物件費等)を業務粗利益(銀行の本業の粗利益)で割った比率で、銀行がどれだけ効率的に収益を上げているかを示します。数値が低いほど収益効率が良いことを意味します。詳しくはこちら →=経費÷業務粗利益は、銀行の収益効率性を示す代表的な指標です。数値が低いほど、少ないコストで多くの収益を上げている(効率的な)ことを意味するため、本チャートは低い順(効率的な順)に5社を並べています。

0%20%40%60%三井住友フィナンシャルグループ: OHR(経費率) 54.7%三井住友FG54.7%りそなホールディングス: OHR(経費率) 57.6%りそな57.6%三菱UFJフィナンシャル・グループ: OHR(経費率) 60.0%三菱UFJ60.0%みずほフィナンシャルグループ: OHR(経費率) 60.5%みずほ60.5%三井住友トラストグループ: OHR(経費率) 63.8%三井住友トラスト63.8%

OHR(経費÷業務粗利益)の低い順(効率的な順)に5社を並べた横棒グラフです。分子・分母の科目名が会社によって完全には一致しないため、参考値としてご覧ください(詳細は下記「算出方法・データソース」参照)。

指標比較表

指標三菱UFJフィナンシャル・グループ三井住友フィナンシャルグループみずほフィナンシャルグループ三井住友トラストグループりそなホールディングス
規模
売上高(売上収益・経常収益)146,208億円107,909億円90,854億円29,835億円13,572億円
売上高成長率(前期比)+7.3%+6.1%+0.6%+2.1%+21.5%
収益性
営業利益(経常利益)34,102億円23,034億円15,732億円4,015億円3,909億円
営業利益率(経常利益率)23.3%21.3%17.3%13.5%28.8%
当期純利益24,272億円15,830億円12,486億円3,176億円2,587億円
Return On Equityの略。株主が出した資本(自己資本)に対して、企業がどれだけ効率的に利益を生み出したかを示す指標です。当期純利益÷自己資本で算出します。詳しくはこちら →10.8%10.0%10.8%8.8%8.8%
Return On Assetの略。負債も含めた総資産全体に対して、企業がどれだけ効率的に利益を生み出したかを示す指標です。当期純利益÷総資産で算出します。詳しくはこちら →0.6%0.5%0.4%0.4%0.3%
EPS(1株当たり利益)213.17円411.97円502.92円112.95円113.82円
Overhead Ratioの略。経費(人件費・物件費等)を業務粗利益(銀行の本業の粗利益)で割った比率で、銀行がどれだけ効率的に収益を上げているかを示します。数値が低いほど収益効率が良いことを意味します。詳しくはこちら →60.0%54.7%60.5%63.8%57.6%
財務健全性
総資産のうち、返済不要の自己資本(株主資本)がどれだけの割合を占めるかを示す指標。数字が高いほど負債への依存度が低く、財務的な余力が大きいとされます。詳しくはこちら →5.2%4.8%3.7%4.3%3.8%
BPS(1株当たり純資産)1973.31円4135.71円4640.23円1276.02円1289.54円
銀行が保有するリスク・アセット(貸出金等のリスクの大きさに応じて重み付けした資産)に対して、どれだけ質の高い自己資本を持っているかを示す、国際的な銀行規制(バーゼル規制)に基づく指標。銀行の経営健全性を測る中心的な物差しです。詳しくはこちら →11.29%11.50%9.90%10.89%12.54%
市場評価
1株配当(会社予想)86円157円145円46円29円
株価3525.0円6666.0円7818.0円1672.0円2178.0円
Price Earnings Ratioの略。株価が1株あたり利益(EPS)の何倍まで買われているかを示す指標で、株価が利益水準に対して割高か割安かの目安として使われます。詳しくはこちら →16.54倍15.30倍14.22倍12.10倍15.93倍
PBR(実績)1.79倍1.61倍1.68倍1.31倍1.69倍
配当利回り(会社予想)2.69%2.64%1.84%2.87%1.69%
時価総額423,796億円260,918億円199,506億円46,233億円50,561億円
時価総額を売上高で割った倍率(PSR=Price to Sales Ratioとも呼ばれます)。利益がマイナスでPERが算出できない赤字企業でも、売上高さえあれば算出できる株価指標です。詳しくはこちら →2.90倍2.42倍2.20倍1.55倍3.73倍

決算数値の算出基準: 2026年5月12日〜5月15日発表の2026年3月期決算短信/株価・PER・配当利回り・時価総額の基準: 2026年7月30日(東証終値)、時価総額・発行済株式数は2026年7月31日時点(Yahoo!ファイナンス)

※現金及び現金同等物・有利子負債・ネットキャッシュ・持分法による投資損益・投資収益比率の5指標は、銀行業界には当てはまらないため本表では非表示にしています。

会社概要・会計基準

三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)

日本基準

2026年3月期(通期、2025年4月〜2026年3月)

三菱UFJフィナンシャル・グループ 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) →

三井住友フィナンシャルグループ(8316)

日本基準

2026年3月期(通期、2025年4月〜2026年3月)

三井住友フィナンシャルグループ 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) →

みずほフィナンシャルグループ(8411)

日本基準

2026年3月期(通期、2025年4月〜2026年3月)

みずほフィナンシャルグループ 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) →

三井住友トラストグループ(8309)

日本基準

2026年3月期(通期、2025年4月〜2026年3月)

三井住友トラストグループ 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) →

りそなホールディングス(8308)

日本基準

2026年3月期(通期、2025年4月〜2026年3月)

りそなホールディングス 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) →

※5社とも日本基準で決算を開示しており、会計基準の違いによる注記は本業界では不要です。

算出方法・データソース

※本ツールは各社の決算短信に基づく財務指標を業界内で相対比較する情報提供を目的としており、投資助言・売買推奨ではありません。特定の企業への投資を推奨するものではなく、投資判断はご自身の責任で行ってください。数値は算出時点のものであり、最新の情報は各社のIR資料でご確認ください。