不動産業界トップ5 財務諸表比較
三井不動産・三菱地所・住友不動産・野村不動産ホールディングス・東急不動産ホールディングスについて、各社直近の本決算の主要財務指標を横並びで比較します。保有物件を裏付けとした有利子負債で開発資金を調達する事業モデルのため、自己資本比率は26〜34%と自動車・商社業界より低く出ています。
バリュエーション・マップ(PER × 売上高倍率)
縦軸はPrice Earnings Ratioの略。株価が1株あたり利益(EPS)の何倍まで買われているかを示す指標で、株価が利益水準に対して割高か割安かの目安として使われます。詳しくはこちら →、横軸は時価総額を売上高で割った倍率(PSR=Price to Sales Ratioとも呼ばれます)。利益がマイナスでPERが算出できない赤字企業でも、売上高さえあれば算出できる株価指標です。詳しくはこちら →で、いずれも対数スケールです。バブルの大きさは時価総額を表します。数値の詳細は下記「指標比較表」または各バブルにカーソルを合わせてご確認ください。
資本効率マップ(ROA × 自己資本比率)
Return On Equityの略。株主が出した資本(自己資本)に対して、企業がどれだけ効率的に利益を生み出したかを示す指標です。当期純利益÷自己資本で算出します。詳しくはこちら →という1つの数字が「本業の稼ぐ力(Return On Assetの略。負債も含めた総資産全体に対して、企業がどれだけ効率的に利益を生み出したかを示す指標です。当期純利益÷総資産で算出します。詳しくはこちら →)」と「レバレッジ(総資産のうち、返済不要の自己資本(株主資本)がどれだけの割合を占めるかを示す指標。数字が高いほど負債への依存度が低く、財務的な余力が大きいとされます。詳しくはこちら →の低さ)」のどちらでできているかを分解して見るチャートです。5社ともROAは2.5〜2.9%と極めて近い水準に集中しており、ROEの差(8%台〜11%弱)は本業の収益力の差というより、自己資本比率(=レバレッジ)の差によって生まれていることが分かります。
横軸は自己資本比率、縦軸はROA(簡易値=ROE×自己資本比率で逆算した値)で、いずれも線形スケールです。バブルの大きさは時価総額です。5社のROAが2.5〜2.9%の狭いレンジに集中しているため、他業界編より軸の幅を狭く表示しています。
ネットキャッシュ比較チャート
ネットキャッシュ(現金及び現金同等物-有利子負債)は、借入金をすべて返済してもなお現金がどれだけ残るかを表す指標です。5社とも保有物件の取得・開発資金を有利子負債でまかなっているため、大幅なマイナスとなっています。
ネットキャッシュの大きい順(マイナス幅が小さい順)に5社を並べた横棒グラフです。単位は兆円(軸目盛り)、バー上のラベルは億円単位の実数です。5社とも連結ベースで統一して算出しています。
指標比較表
| 指標 | 三井不動産 | 三菱地所 | 住友不動産 | 野村不動産ホールディングス | 東急不動産ホールディングス |
|---|---|---|---|---|---|
| 規模 | |||||
| 売上高(売上収益・経常収益) | 27,097億円 | 17,461億円 | 10,578億円 | 9,425億円 | 12,460億円 |
| 売上高成長率(前期比) | +3.2% | +10.5% | +4.3% | +24.4% | +8.3% |
| 収益性 | |||||
| 営業利益(経常利益) | 3,978億円 | 3,297億円 | 2,992億円 | 1,382億円 | 1,669億円 |
| 営業利益率(経常利益率) | 14.7% | 18.9% | 28.3% | 14.7% | 13.4% |
| 当期純利益 | 2,787億円 | 2,225億円 | 2,125億円 | 829億円 | 967億円 |
| Return On Equityの略。株主が出した資本(自己資本)に対して、企業がどれだけ効率的に利益を生み出したかを示す指標です。当期純利益÷自己資本で算出します。詳しくはこちら → | 8.4% | 8.2% | 8.5% | 10.3% | 10.8% |
| Return On Assetの略。負債も含めた総資産全体に対して、企業がどれだけ効率的に利益を生み出したかを示す指標です。当期純利益÷総資産で算出します。詳しくはこちら → | 2.7% | 2.6% | 2.9% | 2.9% | 2.8% |
| EPS(1株当たり利益) | 101.04円 | 181.80円 | 228.42円 | 96.69円 | 135.45円 |
| 財務健全性 | |||||
| 総資産のうち、返済不要の自己資本(株主資本)がどれだけの割合を占めるかを示す指標。数字が高いほど負債への依存度が低く、財務的な余力が大きいとされます。詳しくはこちら → | 32.4% | 31.4% | 34.4% | 28.5% | 26.3% |
| BPS(1株当たり純資産) | 1206.06円 | 2229.21円 | 2675.04円 | 938.08円 | 1260.05円 |
| 現金及び現金同等物 | 823億円 | 2,801億円 | 583億円 | 368億円 | 1,805億円 |
| 有利子負債 | 46,325億円 | 36,109億円 | 39,759億円 | 15,994億円 | 18,269億円 |
| ネットキャッシュ | -45,502億円 | -33,308億円 | -39,176億円 | -15,625億円 | -16,464億円 |
| 市場評価 | |||||
| 1株配当(会社予想) | 37円 | 49円 | 52円 | 44円 | 50円 |
| 株価 | 1488.0円 | 3840.0円 | 3546.0円 | 901.6円 | 1290.5円 |
| Price Earnings Ratioの略。株価が1株あたり利益(EPS)の何倍まで買われているかを示す指標で、株価が利益水準に対して割高か割安かの目安として使われます。詳しくはこちら → | 14.19倍 | 19.71倍 | 14.69倍 | 8.96倍 | 9.20倍 |
| PBR(実績) | 1.23倍 | 1.72倍 | 1.33倍 | 0.96倍 | 1.02倍 |
| 配当利回り(会社予想) | 2.49% | 1.28% | 1.47% | 4.88% | 3.88% |
| 時価総額 | 40,465億円 | 46,506億円 | 33,191億円 | 7,701億円 | 9,198億円 |
| 時価総額を売上高で割った倍率(PSR=Price to Sales Ratioとも呼ばれます)。利益がマイナスでPERが算出できない赤字企業でも、売上高さえあれば算出できる株価指標です。詳しくはこちら → | 1.49倍 | 2.66倍 | 3.14倍 | 0.82倍 | 0.74倍 |
決算数値の算出基準: 2026年4月24日〜5月13日発表の2026年3月期決算短信/株価・PER・PBR・配当利回り・時価総額の基準: 2026年8月6日時点
会社概要・会計基準
算出方法・データソース
- 対象5社は、上場デベロッパーのうち時価総額・個人投資家の認知度が高い三井不動産・三菱地所・住友不動産(いわゆる「不動産御三家」)に、野村不動産ホールディングス・東急不動産ホールディングスを加えた5社です。REIT(不動産投資信託)は事業会社ではなく別の投資商品のため対象外としています。
- 各社の決算短信(5社とも2026年3月期)に記載の数値を手動で確認して入力しています。自動取得は行っていません。
- 有利子負債(短期借入金・長期借入金・社債・コマーシャルペーパー等の合計)について、三井不動産・野村不動産ホールディングス・東急不動産ホールディングスは決算短信に詳細内訳が、三菱地所は「(参考)有利子負債」として合計値が開示されています。住友不動産のみ単一の合計開示がないため、連結貸借対照表の個別科目を合算した自社集計の参考値を掲載しています。
- ROE(自己資本利益率)は、各社が決算短信で個別に公表する値ではなく、EPS(1株当たり当期利益)÷ BPS(1株当たり純資産、期末値)で5社統一の計算式により算出した簡易値です。
- ROA(総資産利益率)は、資産合計の実額から算出した値ではなく、上記の簡易ROEに自己資本比率を掛けて逆算した簡易値です(ROE=ROA÷自己資本比率という恒等式の逆算)。
- 株式分割: 住友不動産は2026年1月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を実施しています。EPS・BPS・株価は分割後基準に統一しています。野村不動産ホールディングスも2025年4月1日付で1株→5株の株式分割を実施済みで、決算短信内の数値は分割後基準に統一されています。
- 時価総額は、三井不動産・三菱地所・住友不動産は証券情報サイトの掲載値、野村不動産ホールディングス・東急不動産ホールディングスは株価×期末発行済株式数(自己株式控除後)による自己算出値を採用しています。
- 株価・PER・PBR・配当利回り・時価総額は2026年8月6日時点の市場データです。
- ネットキャッシュ(現金及び現金同等物-有利子負債)は、5社とも連結ベースで算出しています。不動産業界は保有物件の取得・開発に資金を投じる事業モデルのため、ネットキャッシュが大幅なマイナスになるのは経営上当然の状態です。
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※本ツールは各社の決算短信に基づく財務指標を業界内で相対比較する情報提供を目的としており、投資助言・売買推奨ではありません。特定の企業への投資を推奨するものではなく、投資判断はご自身の責任で行ってください。数値は算出時点のものであり、最新の情報は各社のIR資料でご確認ください。