精密機器・FA機器業界トップ3 財務諸表比較
キーエンス・ファナック・SMCについて、各社直近の本決算の主要財務指標を横並びで比較します。3社とも自己資本比率90%前後・実質無借金という共通の特徴を持ち、財務レバレッジにほとんど頼らずに高いROEを実現している業界の実例です。
バリュエーション・マップ(PER × 売上高倍率)
縦軸はPrice Earnings Ratioの略。株価が1株あたり利益(EPS)の何倍まで買われているかを示す指標で、株価が利益水準に対して割高か割安かの目安として使われます。詳しくはこちら →、横軸は時価総額を売上高で割った倍率(PSR=Price to Sales Ratioとも呼ばれます)。利益がマイナスでPERが算出できない赤字企業でも、売上高さえあれば算出できる株価指標です。詳しくはこちら →で、いずれも対数スケールです。バブルの大きさは時価総額を表します。3社とも高い利益率を反映してRevenue Multiple・PERともに他業界編より高い水準にあります。数値の詳細は下記「指標比較表」または各バブルにカーソルを合わせてご確認ください。
資本効率マップ(ROA × 自己資本比率)
Return On Equityの略。株主が出した資本(自己資本)に対して、企業がどれだけ効率的に利益を生み出したかを示す指標です。当期純利益÷自己資本で算出します。詳しくはこちら →という1つの数字が「本業の稼ぐ力(Return On Assetの略。負債も含めた総資産全体に対して、企業がどれだけ効率的に利益を生み出したかを示す指標です。当期純利益÷総資産で算出します。詳しくはこちら →)」と「レバレッジ(総資産のうち、返済不要の自己資本(株主資本)がどれだけの割合を占めるかを示す指標。数字が高いほど負債への依存度が低く、財務的な余力が大きいとされます。詳しくはこちら →の低さ)」のどちらでできているかを分解して見るチャートです。3社とも自己資本比率が89〜95%と極めて高く(実質無借金)、ROEのほとんどがROA、つまり本業の利益率そのものによって作られていることが分かります。他業界編(銀行・小売のイオン等)で見られる「レバレッジで底上げされたROE」とは対照的な構造です。
横軸は自己資本比率、縦軸はROA(簡易値=ROE×自己資本比率で逆算した値)で、いずれも線形スケールです。バブルの大きさは時価総額です。3社の自己資本比率が89〜95%の狭いレンジに集中しているため、他業界編より軸の幅を狭く表示しています。
ネットキャッシュ比較チャート
ネットキャッシュ(現金及び現金同等物-有利子負債)は、借入金をすべて返済してもなお現金がどれだけ残るかを表す指標です。3社ともほぼ無借金のため、現金及び現金同等物のほぼ全額がそのままネットキャッシュとなっています。
ネットキャッシュの大きい順に3社を並べた横棒グラフです。単位は兆円(軸目盛り)、バー上のラベルは億円単位の実数です。3社とも連結ベースで統一して算出しています。
指標比較表
| 指標 | キーエンス | ファナック | SMC |
|---|---|---|---|
| 規模 | |||
| 売上高(売上収益・経常収益) | 11,693億円 | 8,578億円 | 8,425億円 |
| 売上高成長率(前期比) | +10.4% | +7.6% | +6.4% |
| 収益性 | |||
| 営業利益(経常利益) | 5,958億円 | 1,838億円 | 1,906億円 |
| 営業利益率(経常利益率) | 51.0% | 21.4% | 22.6% |
| 当期純利益 | 4,452億円 | 1,665億円 | 1,673億円 |
| Return On Equityの略。株主が出した資本(自己資本)に対して、企業がどれだけ効率的に利益を生み出したかを示す指標です。当期純利益÷自己資本で算出します。詳しくはこちら → | 12.8% | 8.9% | 7.9% |
| Return On Assetの略。負債も含めた総資産全体に対して、企業がどれだけ効率的に利益を生み出したかを示す指標です。当期純利益÷総資産で算出します。詳しくはこちら → | 12.1% | 8.0% | 7.2% |
| EPS(1株当たり利益) | 1835.63円 | 178.47円 | 2640.04円 |
| 財務健全性 | |||
| 総資産のうち、返済不要の自己資本(株主資本)がどれだけの割合を占めるかを示す指標。数字が高いほど負債への依存度が低く、財務的な余力が大きいとされます。詳しくはこちら → | 94.6% | 89.2% | 91.5% |
| BPS(1株当たり純資産) | 14313.86円 | 1998.45円 | 33498.92円 |
| 現金及び現金同等物 | 4,513億円 | 6,151億円 | 5,738億円 |
| 有利子負債 | 0億円 | 0億円 | 51億円 |
| ネットキャッシュ | 4,513億円 | 6,151億円 | 5,687億円 |
| 市場評価 | |||
| 1株配当(会社予想) | 550円 | 107円 | 1000円 |
| 株価 | 87380.0円 | 6460.0円 | 75790.0円 |
| Price Earnings Ratioの略。株価が1株あたり利益(EPS)の何倍まで買われているかを示す指標で、株価が利益水準に対して割高か割安かの目安として使われます。詳しくはこちら → | 44.10倍 | 32.60倍 | 27.90倍 |
| PBR(実績) | 6.10倍 | 3.23倍 | 2.26倍 |
| 配当利回り(会社予想) | 0.63% | 1.66% | 1.32% |
| 時価総額 | 211,918億円 | 60,282億円 | 48,407億円 |
| 時価総額を売上高で割った倍率(PSR=Price to Sales Ratioとも呼ばれます)。利益がマイナスでPERが算出できない赤字企業でも、売上高さえあれば算出できる株価指標です。詳しくはこちら → | 18.12倍 | 7.03倍 | 5.75倍 |
決算数値の算出基準: 2026年4月24日〜5月14日発表の2026年3月期決算短信/株価・PER・PBR・配当利回り・時価総額の基準: 2026年8月6日時点
会社概要・会計基準
算出方法・データソース
- 対象社は、自己資本比率90%前後・実質無借金という共通の財務プロファイルを持つキーエンス・ファナック・SMCの3社です。同じFA関連業種である安川電機・THKは自己資本比率が明確に低く(60%前後)、財務レバレッジの水準が異なるため対象外としています。
- 各社の決算短信(キーエンス・ファナック・SMCともに2026年3月期)に記載の数値を手動で確認して入力しています。自動取得は行っていません。
- 有利子負債について、キーエンス・ファナックは連結貸借対照表に短期借入金・長期借入金・社債・リース債務等の科目自体が存在せず、ゼロとして扱っています。SMCは短期借入金50.92億円のみで、長期借入金・社債はありません。
- ROE(自己資本利益率)は、各社が決算短信で個別に公表する値ではなく、EPS(1株当たり当期利益)÷ BPS(1株当たり純資産、期末値)で3社統一の計算式により算出した簡易値です。例えばキーエンスの会社公表「自己資本当期純利益率」は13.5%ですが、本ツールのROEは簡易計算により12.8%となります。
- ROA(総資産利益率)は、資産合計の実額から算出した値ではなく、上記の簡易ROEに自己資本比率を掛けて逆算した簡易値です(ROE=ROA÷自己資本比率という恒等式の逆算)。
- 自己資本比率は、ファナックのみ非支配株主持分が存在するため、決算短信記載の「自己資本比率」(自己資本÷総資産、非支配持分を除く)を採用しています。キーエンス・SMCは非支配株主持分がないため、純資産÷総資産の単純比率と一致します。
- PER(会社予想)について、キーエンスは業績予想を開示しない方針のため、証券情報サイトのアナリスト予想(コンセンサス予想)ベースの値を採用しています。ファナックは決算短信記載の翌期予想EPSから自己算出、SMCは証券情報サイトの掲載値です。算出根拠が3社で異なる点にご注意ください。
- ファナックの配当利回りは、決算短信発表時点で翌期の配当予想が未定だったため、直近実績配当を代用して算出しています。
- PBR(実績)は、各社の株価 ÷ BPS(本データのbps、決算期末実績値)で算出した自己算出値です。証券情報サイトが表示するPBRは異なる時点のBPSを分母にしている場合があり、本データの値とは一致しないことがあります。
- 株価・PER・PBR・配当利回り・時価総額は2026年8月6日時点の市場データです。
- ネットキャッシュ(現金及び現金同等物-有利子負債)は、3社とも連結ベースで算出しています。
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※本ツールは各社の決算短信に基づく財務指標を業界内で相対比較する情報提供を目的としており、投資助言・売買推奨ではありません。特定の企業への投資を推奨するものではなく、投資判断はご自身の責任で行ってください。数値は算出時点のものであり、最新の情報は各社のIR資料でご確認ください。