通信業界トップ3 財務諸表比較

日本国内で独立して上場している通信キャリア3社(日本電信電話・KDDI・ソフトバンク)について、2026年3月期通期決算の主要財務指標を横並びで比較します。他業界編の「トップ5社比較」と異なり、本業界は上場している純粋な通信キャリアが3社に限られるため「トップ3社比較」として構成しています。

対象社・指標算出についてのご注意:NTTドコモは2020年にNTTの完全子会社となり非上場化しているため、本ツールでは独立して上場している通信キャリア3社(NTT・KDDI・ソフトバンク)のみを対象としています。楽天モバイルを運営する楽天グループは、継続的な赤字や他事業(EC・金融)との複合的な収益構造のため対象外としました。また「自己資本比率」は、ソフトバンクが非支配持分(PayPay関連事業等の合弁・出資先)を大きく抱えている点を踏まえ、3社とも親会社の所有者に帰属する持分のみを分子とした値で統一しています。詳しくは下記「算出方法・データソース」をご覧ください。

バリュエーション・マップ(PER × 売上高倍率)

0.7倍0.8倍1倍1.2倍1.5倍2倍2.5倍10倍12倍14倍16倍18倍20倍22倍 日本電信電話: PER(会社予想) 12.66倍 / Revenue Multiple(売上高倍率、PSR) 0.96倍 / 時価総額 137,999億円 NTT KDDI: PER(会社予想) 15.91倍 / Revenue Multiple(売上高倍率、PSR) 1.93倍 / 時価総額 117,058億円 KDDI ソフトバンク: PER(会社予想) 19.06倍 / Revenue Multiple(売上高倍率、PSR) 1.52倍 / 時価総額 107,271億円 ソフトバンク時価総額を売上高で割った倍率(PSR=Price to Sales Ratioとも呼ばれます)。利益がマイナスでPERが算出できない赤字企業でも、売上高さえあれば算出できる株価指標です。詳しくはこちら →Price Earnings Ratioの略。株価が1株あたり利益(EPS)の何倍まで買われているかを示す指標で、株価が利益水準に対して割高か割安かの目安として使われます。詳しくはこちら →
日本電信電話KDDIソフトバンク

縦軸はPrice Earnings Ratioの略。株価が1株あたり利益(EPS)の何倍まで買われているかを示す指標で、株価が利益水準に対して割高か割安かの目安として使われます。詳しくはこちら →、横軸は時価総額を売上高で割った倍率(PSR=Price to Sales Ratioとも呼ばれます)。利益がマイナスでPERが算出できない赤字企業でも、売上高さえあれば算出できる株価指標です。詳しくはこちら →で、いずれも対数スケールです。バブルの大きさは時価総額を表します。数値の詳細は下記「指標比較表」または各バブルにカーソルを合わせてご確認ください。

※KDDIのみ、2026年7月31日時点で会社予想PERが未掲載だったため、実績PER(株価÷実績EPS)を採用しています。NTT・ソフトバンク(翌期の会社予想利益に基づく)とは算出根拠の期が異なります。

資本効率マップ(ROA × 自己資本比率)

Return On Equityの略。株主が出した資本(自己資本)に対して、企業がどれだけ効率的に利益を生み出したかを示す指標です。当期純利益÷自己資本で算出します。詳しくはこちら →という1つの数字が「本業の稼ぐ力(Return On Assetの略。負債も含めた総資産全体に対して、企業がどれだけ効率的に利益を生み出したかを示す指標です。当期純利益÷総資産で算出します。詳しくはこちら →)」と「レバレッジ(総資産のうち、返済不要の自己資本(株主資本)がどれだけの割合を占めるかを示す指標。数字が高いほど負債への依存度が低く、財務的な余力が大きいとされます。詳しくはこちら →の低さ)」のどちらでできているかを分解して見るチャートです。斜めの参照線はROE一定線(ROE=ROA÷自己資本比率という恒等式に基づく)で、同じ線の上に乗っている会社は数式上ROEが同じであることを意味します。

ROE 10%ROE 15%ROE 20%ROE 25%12%15%18%20%22%25%28%30%2.0%2.5%3.0%3.5%4.0% 日本電信電話: ROA(総資産利益率、簡易値) 2.2% / 自己資本比率 20.8% / ROE(自己資本利益率、簡易値) 10.5% NTT KDDI: ROA(総資産利益率、簡易値) 3.7% / 自己資本比率 26.6% / ROE(自己資本利益率、簡易値) 13.8% KDDI ソフトバンク: ROA(総資産利益率、簡易値) 3.3% / 自己資本比率 16.0% / ROE(自己資本利益率、簡易値) 20.6% ソフトバンク総資産のうち、返済不要の自己資本(株主資本)がどれだけの割合を占めるかを示す指標。数字が高いほど負債への依存度が低く、財務的な余力が大きいとされます。詳しくはこちら →Return On Assetの略。負債も含めた総資産全体に対して、企業がどれだけ効率的に利益を生み出したかを示す指標です。当期純利益÷総資産で算出します。詳しくはこちら →
日本電信電話KDDIソフトバンク

横軸は自己資本比率(親会社所有者帰属持分÷資産合計)、縦軸はROA(簡易値=ROE×自己資本比率で逆算した値)で、いずれも線形スケールです。バブルの大きさは時価総額です。

※ソフトバンクの自己資本比率は、非支配持分を含む「資本合計」ベースで計算すると約25%まで上がりますが、本チャートは他業界編と算出根拠を揃えるため親会社所有者帰属持分ベース(16.0%)を採用しています。詳しくは下記「算出方法・データソース」をご覧ください。

ネットキャッシュ比較チャート

ネットキャッシュ現金及び現金同等物有利子負債)は、借入金をすべて返済してもなお現金がどれだけ残るかを表す指標です。通信業界は基地局・光ファイバー等のインフラ投資が非常に大きく、3社とも有利子負債が現金同等物を大幅に上回るため、ネットキャッシュはいずれも大幅なマイナスになります。

-15兆円-10兆円-5兆円0兆円KDDI: ネットキャッシュ -42,965億円KDDI-42,965億円ソフトバンク: ネットキャッシュ -50,458億円ソフトバンク-50,458億円日本電信電話: ネットキャッシュ -149,977億円NTT-149,977億円

ネットキャッシュの大きい順(マイナス幅が小さい順)に3社を並べた横棒グラフです。単位は兆円(軸目盛り)、バー上のラベルは億円単位の実数です。3社とも連結ベースで統一して算出しています。

指標比較表

指標日本電信電話KDDIソフトバンク
規模
売上高(売上収益・経常収益)144,091億円60,719億円70,387億円
売上高成長率(前期比)+5.1%+4.1%+7.6%
収益性
営業利益(経常利益)17,062億円10,991億円10,426億円
営業利益率(経常利益率)11.8%18.1%14.8%
当期純利益10,370億円7,071億円5,508億円
Return On Equityの略。株主が出した資本(自己資本)に対して、企業がどれだけ効率的に利益を生み出したかを示す指標です。当期純利益÷自己資本で算出します。詳しくはこちら →10.5%13.8%20.6%
Return On Assetの略。負債も含めた総資産全体に対して、企業がどれだけ効率的に利益を生み出したかを示す指標です。当期純利益÷総資産で算出します。詳しくはこちら →2.2%3.7%3.3%
EPS(1株当たり利益)12.61円183.59円11.35円
財務健全性
総資産のうち、返済不要の自己資本(株主資本)がどれだけの割合を占めるかを示す指標。数字が高いほど負債への依存度が低く、財務的な余力が大きいとされます。詳しくはこちら →20.8%26.6%16.0%
BPS(1株当たり純資産)119.47円1333.50円55.13円
現金及び現金同等物19,219億円10,788億円14,388億円
有利子負債169,195億円53,754億円64,846億円
ネットキャッシュ-149,977億円-42,965億円-50,458億円
市場評価
1株配当(会社予想)5円84円9円
株価152.4円2921.0円223.4円
Price Earnings Ratioの略。株価が1株あたり利益(EPS)の何倍まで買われているかを示す指標で、株価が利益水準に対して割高か割安かの目安として使われます。詳しくはこちら →12.66倍15.91倍19.06倍
PBR(実績)1.28倍2.19倍4.05倍
配当利回り(会社予想)3.54%2.88%3.94%
時価総額137,999億円117,058億円107,271億円
時価総額を売上高で割った倍率(PSR=Price to Sales Ratioとも呼ばれます)。利益がマイナスでPERが算出できない赤字企業でも、売上高さえあれば算出できる株価指標です。詳しくはこちら →0.96倍1.93倍1.52倍

決算数値の算出基準: 2026年5月8日〜5月12日発表の2026年3月期決算短信/株価・PER・PBR・配当利回り・時価総額の基準: 2026年7月31日(東証終値)、時価総額・発行済株式数は同日時点(Yahoo!ファイナンス)

会社概要・会計基準

日本電信電話(9432)

IFRS(国際会計基準)

2026年3月期(通期、2025年4月〜2026年3月)

日本電信電話 2025年度(2026年3月期)決算短信〔IFRS〕(連結) →

KDDI(9433)

IFRS(国際会計基準)

2026年3月期(通期、2025年4月〜2026年3月)

KDDI 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結) →

ソフトバンク(9434)

IFRS(国際会計基準)

2026年3月期(通期、2025年4月〜2026年3月)

ソフトバンク 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結) →

3社ともIFRS(国際会計基準)で決算を開示しているため、会計基準の混在(自動車業界編で発生したIFRS/日本基準の混在)はありません。

算出方法・データソース

※本ツールは各社の決算短信に基づく財務指標を業界内で相対比較する情報提供を目的としており、投資助言・売買推奨ではありません。特定の企業への投資を推奨するものではなく、投資判断はご自身の責任で行ってください。数値は算出時点のものであり、最新の情報は各社のIR資料でご確認ください。